間もなく節分と春分の日がやってきますね。節分と言えば豆まきや恵方巻きを食べるといった風習が多いと思いますが、この時期の貴方のお住まいの方面でこのような風習とかは存在してますか?
全国的な風習ではないようですが、『節分いわし』という行事がこの時期に執り行われるそうです。「節分いわし」とは、柊(ひいらぎ)の枝に鰯の頭をさして玄関に置いておくと鬼が鰯の臭いを嫌って寄り付かなくなると言われているようです。
何故?柊(ひいらぎ)に鰯の頭を?何か特別な思いとか込めたものなのでしょうか?節分と鰯の関係を少し学んでみましょう。
節分に柊と鰯とは?どういう意味?
に柊の葉には鋭い棘が有り、鰯の頭の匂いと共に近付く鬼(邪気)の目を刺して撃退するとも云い伝えられています。
同じく節分の日に鰯(イワシ)を食べるのは何故?
節分に鰯を食べるのは関西地域の風習であり現代も続く習慣です。
秋から冬にかけて鰯は大変脂がのって焼き魚としたときに煙が沢山出ます。鬼(邪気)は煙を嫌って近づかないと言い伝えられております。
更に鰯(イワシ)を食べるのは身体の中の鬼(邪気)も追い払うという意味でもあります。
実は、寒い季節に鰯を食べることは体の厄除けという意味と健康づくりにも役立っているのです。
秋から冬にかけてとれる鰯は大変脂がのって美味であり人間の体にとって大事な「DHA(ドコサヘキサエン酸)」、「EPA(エイコサペンタエン酸)」を多く摂取できるのです。
鰯(イワシ)の脂肪は別称で「不飽和脂肪酸」と呼ばれ、血栓症予防や悪玉コレステロールを低下させる作用があります。対して、「飽和脂肪酸」という肉食動物の肉は悪玉コレステロールを増やし動脈硬化増加の要因となります。
従って鰯(イワシ)のような身体に良い脂肪酸はできるだけ多く食べる事が良いのです。
節分の柊と鰯(イワシ)はいつからいつまでどこに飾るの?
分の柊(ひいらぎ)と鰯(イワシ)の頭は玄関や軒先に飾って厄払いをします。
焼嗅(やいかがし)あるいは柊鰯(ひいらぎかがし)といわれるこの節分行事は、正月行事を一通り終えた、小正月(1月15日)の翌日から節分(2月3日)までという習わしがあります。
鰯の頭を焼いて臭いを強くしたものを柊の枝に刺し、鬼の嫌いな鰯の臭気でで鬼(邪気)を退散させるという行事は節分の豆まきととてもグッドタイミングだという事ですね。
鰯に鬼を退治するパワーが宿ると言い伝えられてからというもの、「鰯の頭も信心から」といった銘文も生まれたりもしました。節分の翌日である、「立春」の2月4日になったら取り下げましょう。取り下げた鰯(イワシ)はお焚き上げ又は神社へ持っていく。又は塩で清めて埋めるという方法であとかたずけが一般的です。
柊の枝に鰯の頭を飾るっていつから続く風習なの?
平安時代には、正月の門口に飾った注連縄(しめなわ)に、柊の枝と魚の「ボラ」の頭を刺していたことが、土佐日記でも描かれています。
江戸時代にもこの風習は普及していたらしく、浮世絵や、黄表紙などに現れているそうです。
西日本一円では節分に鰯を食べる「節分いわし」の習慣が現在でも色濃く広く残っている。
奈良県奈良市内では、多くの家々が柊鰯の風習を今でも受け継いでおります。本当にごく普通に柊鰯があちこちに見受けられます。
又、福島県から関東一円にかけてもこの風習は受け継がれているようです。関東では更に柊と鰯の頭に豆柄(大豆の枝)も加わります。
鬼を追いはらう臭いを際立てるために、ニンニクやラッキョウといったより匂いが強い食材を用いる事もあるようです。
さいごに
今となっては不思議でならないという感想しか有り得ませんがこの「節分いわし」という行事は私達の親世代の方々にとっては懐かしいという声も時折聞いたことが有りました。
現代では住宅事情もありますし、カラス被害になる事は間違いないのでこのような風習も敬遠されているのが実際のところのようです。
昔も今も、元気で健康を願う「願をかける」という神様仏様のように神事仏事と受けとらえられている事も我が日本らしき古式ゆかしき行事で趣きがあって良いと感じますね。
さて、我が家も今年は伝統的な行事として「節分いわし」にチャレンジしてみようかな!?
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