航空自衛隊 航空救難団とは?メディックとは?海猿とは違うの?



航空自衛隊の中でも、特異な集団があります。

海でも山でも、大規模な災害や事故・遭難の一報から出動要請を受けると、警察・消防・海上保安庁が出動できない場合であってもギリギリのところまで奮闘し、数多くの生命を救出してきた、航空自衛隊・航空救難団です。

航空自衛隊の航空救難団 どんな部隊?🚁

航空救難団は、埼玉県の入間基地に救難団司令部を中心に、那覇(沖縄)・新田原(宮崎)・芦屋(福岡)・浜松(静岡)・小松(石川)・百里(茨城)・新潟(新潟)・松島(宮城)・秋田(秋田)・千歳(北海道)の10の救難隊があり、日本全国の海と空をカバーしています。

彼らは、航空自衛隊(及び陸自・海自)の航空機の墜落事故における機体・乗員らの捜索救難・救助活動を主体としており、そのために救難ヘリの操縦技術の向上は言うまでもなく、実際に海上や雪山など困難な現場に身一つで降り立って救難活動を行う救難員(メディック)は陸自のレンジャーに匹敵する厳しい訓練を自らに課しています。

彼らは海難事故・山岳遭難、離島からの急患空輸など、他のレスキューが進出できない困難なケースや悪天候時に、要請を受けて出動しており、日本の救難活動における『最後の砦』とも呼ばれています。

航空救難団の認知度低い理由?海猿と違う?

映画『海猿』は海上保安庁の潜水士を主人公にした2004年の映画です。この作品は佐藤秀峰氏の漫画をもとにシリーズ化され、広くその存在を知られるようになりました。

作中で“海猿”と呼ばれた彼らは海難救助のスペシャリストとして、これもまた命がけの現場に飛び込んでいく仕事をしていますが、この映画(その公開の二年前にはNHK版のドラマも製作されています)がきっかけで日本中にその存在を知られるようになりました。

防衛省が救難隊に関してそうした広報活動に熱心に取り組むようになったのはその数年後です。アニメ『よみがえる空』、映画『空へ-救いの翼 RESCUE WINGS-』というシリーズが製作され、少しずつ世間に知られるようにはなっていました。

しかし、さらに“広報効果”が高かったのは、2013年放送のTBSドラマ『空飛ぶ広報室』でした。

作中で百里救難隊に勤務するメディックの佐伯を鈴木亮平さんが演じており、短いシーンの中でも端的に、救難隊が置かれた現状や任務に対する想いを代弁しています。

厳しい訓練の様子に驚く主人公のリカ(新垣結衣)に『そうしないと、現場に出たときに死んじゃうんで』とさらりと言う、その向こう側にどんな世界があるのか?!。

その一端を多くの人々に見せてくれたように感じました。

そして、もっとも彼らが世に知られるようになったのは『東日本大震災』の松島基地における奮闘の様子が報道されたことによるものではないでしょうか。

航空救難団が過去に出動した事故災害事例

近年は多くの災害が発生していますが、その中でもこれらは報道などで大きく扱われた事例です。

平成27年9月10日、大雨により鬼怒川が氾濫し、茨城県常総市を中心に数多くの遭難・孤立者が発生し、災害派遣要請を受けて百里救難隊・浜松救難隊が出動、数日間で141名を救助しました。

報道のヘリが上空からその救難活動をリアルタイムに中継したことでも記憶に新しい事案です。

また、何と言っても忘れられないのが東日本大震災です。

平成23年3月11日、松島基地・松島救難隊は津波の直撃を受け、航空機や装備の多くを失いましたが、的確な避難指示のおかげで人的損傷は無し。

翌日からボートを出して周辺地域の被災者の救助活動に邁進していました。その様子はドキュメンタリー番組などで広く伝えられることとなり、現在のように多くの方にその存在と活動が知られることにもつながっていったのです。

ま と め

『That others may live.(他を生かすために)』という言葉を聞いたことがありますか?

航空自衛隊・航空救難団はこの言葉を胸に他者を助け、そして自らも生きて還るために厳しい訓練を積んでいます。そうした人々の活動がやっと世の中に知られるようになってきましたね。しかし、そんな厳しい訓練の全てが『無駄』になってくれることが、本当は望ましい、と感じます。

彼らが救難ヘリで繰り出していくその先にあるのは、間違いなく誰かの命が危険に曝されている、そんな現場なのですから。

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